
0506[日本]★9/寺山修司 高野浩幸 原田芳雄
私の「邦画Best1」に輝く作品です。この作品には専門学校生の時に多大な影響を受けました。自分のそれまでに思っていたり夢で観たような記憶が具体的に大きなスクリーンに映し出されたって感じで衝撃でした。
ATG作品は後にかなりメジャーになりましたが、その頃は爆睡必至の作品も多く、かなりマイナーというかインディーズ色が強く、全国展開もまるでなかったように思います。その頃幸いにも東京在住でしたし、感性が時代に合っていたというか、もろストライク!でした。
そして再び借りてみました。実はあの頃の衝撃とそれによってあの頃に帰りたいという思いと今のギャップで、かなり落ち込むのでは?と思っていたのであえて観ることをしていなかったのですが…やはり「邦画Best1」作品でした。もちろん技術的に時代を感じる箇所はありますが、それはしょうがないことです。いまならCGでもっとすごいシーンもcoolに観せられたでしょうが、逆に言えばそんなことしなくてもこれだけのものが出来るといういい見本でもあります。でも予算も無いのにずいぶん苦労しただろうなと思います。
内容は簡単に言えば、時間をさかのぼり、自分の母親を殺すとどうなるか?というタイムマシン物には定番のテーマですが、それを寺山タッチで見事に見せてくれます。人によっては気味悪く感じたり、チープな感じもするかもしれませんが、私は本当に感動しました。J・A・シーザーのBGMも菅貫太郎のナレーションも短歌も、なぜか白塗りの主人公も、八千草薫も夢の中のような極彩色も、すべてがこの作品と私の感性にピッタリでした。
私の中でこれを超える作品が未だに出ていないのは残念ですが、死ぬまでには「邦画Best1」を書き替えて欲しいものです。
ラストがかなり印象的でした。